札幌市電「ロープウェイ入口電停」から徒歩約1分。この界隈で「伝説のデカ盛り店」として君臨するのが『コク一番(みどりや)』です。
チャーハンを頼むと、なぜか「普通盛りのチャーシュー麺(やや多め)」が味噌汁代わりについてくるという、常識外れのコスパがYouTubeやSNSで話題です。
しかし、常に2時間以上待ちは当たり前という過酷な現状。 1999年に製麺技能士を取得し、25年麺の世界で生きてきた私から見て、その行列に並ぶ価値は本当にあるのでしょうか?
今回は、実際に2時間並んで対峙した「2〜3合の巨大チャーハンとチャーシュー麺」の実食レポとともに、プロの視点から感じた「行列の正体」と「味の真実」を、忖度なしでガツンとお伝えします。

チャーシュー麺が味噌汁代わり?常識外れのデカ盛りセット

チャーハンを頼んだはずなのに、なぜか立派なチャーシュー麺が当たり前のように登場するこの不思議なシステム。
2時間待った末にようやく対峙した、この店の代名詞とも言える禁断のセット。
スープ代わりの域を遥かに超えたそのボリュームと、麺のプロだからこそ気づいた「一杯の真実」をここから紐解いていきます。
2〜3合の衝撃!完食不可避のモンスターチャーハン

配膳された瞬間、その「超弩級」のボリュームに圧倒されます。
一口目は「おっ!美味い!これなら余裕で完食いけるかも」と勢いよくスプーンを動かしましたが、山の中腹あたりから状況が一変。独特のパサパサ感が徐々に牙を剥き、食べる勢いが急激に失速してしまいました。
しかし、ここで救世主となったのが、セット(?)のラーメンスープです。パサつき始めた口内に、この熱々で脂の乗ったスープを流し込むと、チャーハンの米粒ひとつひとつが再び息を吹き返し、スープの塩気が食欲を再点火させ、後半の失速が嘘のようにスプーンがまた加速しました。
なんだかんだ私は、腹八分目くらいで完食することが出来ました!(大食い自慢ではないです笑)
- 圧倒的ボリューム: 米の量だけで2〜3合レベルの超弩級。
- 安心のタッパー: 食べきれない人向けに持ち帰り用のタッパー(有料)を提供しています。
- 味の印象: 素朴な町中華スタイル。後半はパサつきが気になりますが、ラーメンスープとの相性は抜群です。
そこらのチャーシュー麺を優に超える圧倒的なチャーシューの量
驚くべきは、一般的なチャーシュー麺を優に超えるチャーシューの量です。麺職人の視点で見ても、これがサービスで出てくるというのは価格破壊以外の何物でもありません。
しかし純すみ系の味噌ラーメンなどと比べれば味にそこまで深みもなく、どこにでもありそうな町中華の味付け感が際立っていました。けっしてこれが悪いと言ってるわけではないのですが、特に賛美するほどでも無い、ごく普通のラーメンといったところでした。
【結論】2時間待つ価値は味よりも体験にあり

結局結論から申し上げますと、味は本当にごくごく普通です。
ここ「コク一番」は、「とにかく安く、お腹がはち切れるほどの体験をしたい人」、「SNSなどで知ってネタ作りのために行ってみる」みたいな人にとってはこのお店にピッタリだと思います。
ただ、25年間麺の世界で生きてきたプロの目から見て、純粋に「腹一杯になりたいだけ」を求めて2時間を費やすべきかと言われると、答えは残念ながらNOです。

なぜ「2時間待ち」がデフォルトなのか?加速する行列の正体
- 「大将のワンオペ」で時間がかかるのには理由がある
店内はカウンター席と小上がりが2つの計11席というコンパクトな造りです。しかし、ここで最大のポイントとなるのが、これだけの注文を大将がたった一人で切り盛りする「完全ワンオペ」であるということ。
あの山のようなデカ盛りチャーハンを一人で煽り、同時に本格的なラーメンを仕上げる。その圧倒的な労力を考えれば、回転が遅くなるのは物理的な限界と言えます。11時頃に行ってもすでに行列ができているのは、この「手仕事の限界」も大きく関係しています。 - YouTube効果と完食までの「タイムラグ」
もう一つの理由は、やはりメディアの影響です。自分と同じく「デカ盛りチャーハン」を目当てに来た人がほとんどで、皆がスマホを片手にその光景を記録し、そして必死に完食しようと格闘します。
調理時間だけでなく、この「完食するまでの時間」が一人一人長くなるため、11席という狭き門を突破するのに2時間を要するのは、もはやこの店の必然と言えるかもしれません。
【ガチ本音】正直、これほどの行列に並ぶ理由がわかりません
正直に言います。「2時間」という人生の貴重な時間を、この一杯に捧げる価値はあるのか?
製麺の現場で25年、数多の麺を打ち、啜ってきたからこそ、私には譲れない基準があります。
11席という狭き門を突破するのに要する圧倒的な待ち時間。それが「店側の必然」だとしても、客側が受け取る感動がそれを上回らなければ、プロとしては納得がいきません。話題性と実態の間に、私が感じた強烈な違和感を、包み隠さずお伝えします。

現在はチャーハン1200円
YouTube効果への違和感と、プロとしての判定
結論から言えば、味は「ごく普通に美味しい」の域を出るものではありませんでした。
もちろん、チャーハンもラーメンも町中華としては悪く無いレベルです。しかし、2時間以上の苦行を経てまで啜るべき至高の味かと言われれば、冷静に首を傾げざるを得ません。
これこそが現代のメディアが生んだ「YouTube、SNS効果」の功罪でしょう。画面越しに増幅された期待値と、デカ盛りというエンタメ性が一人歩きしてしまい、ラーメンの本質である味のクオリティが、行列の長さに追いついていない印象を強く受けました。
| 項目 | 評価 |
| チャーハン | |
| ラーメン | |
| コスパ | |
| 総合評価 |

職人が推す「次の一手」:味で選ぶならこの2店
25年、旨い麺と飯を求めて歩いてきた私からすれば、味の満足度だけで選ぶなら他に数段上の選択肢があります。
- ラーメン大将の「肉チャーハン」: パンチの効いた味のキレが絶品。これまたボリューミー。



- 万豚記(ワンツーチィ)の「豚肉と青菜のチャーハン」: 素材の旨みを活かした完成度が非常に高い、素晴らしいチャーハン。


もしあなたが「量」ではなく「味の感動」を最優先したいなら、行列に2時間を費やす前に、これら私のオススメのお店にも足を運んでみていただきたいです。

| 店名 | こく一番 ラーメン みどりや |
|---|---|
| 住所 | 〒064-0918 北海道札幌市中央区南18条西15丁目2−13 |
| 駐車場 | 有:10台(店右道の奥と店通り向かいの「つぼ八」駐車場一部) |
| 営業時間 | 10:30~15:00 |
| 定休日 | 月曜、日曜 |



コメント