「今日はどうしても、あのまろやかでクリーミーな味噌ラーメンが食べたい…」 ふと、無性にそんな気分になる日はありませんか?
北海道の味噌ラーメンを語る上で絶対に外せない超人気店「らーめん信玄」。実は石狩市(花川)に本店を構え、観光客も多く訪れるすすきのの「南6条店」は、連日果てしない大行列ができることで知られています。一番人気の「信州(こく味噌)」は、濃厚で程よいとろみがありながらも決してしつこくない。あのクセになる味わいは、まさに唯一無二ですよね。

しかし、「あの味は食べたいけれど、何時間も行列に並ぶのはちょっと厳しい…」と断念してしまう方も多いはず。
そこで今回は、現役の製麺技能士として四半世紀にわたり麺と向き合ってきた私が、「信玄のDNAを継承しつつ、独自の進化を遂げた名店」を3店舗厳選しました!
ご紹介するのは、信玄出身の店主が独立して立ち上げた「麺家まるたけ(石狩)」「麺屋大地(札幌)」「麺乃やました(札幌)」。
単に師匠の味を再現しているだけではありません。あのまろやかなスープの土台をしっかりと受け継ぎながらも、それぞれのお店が選んだ「麺」との一体感や、全体のバランスの取り方は、「三者三様の素晴らしい良さ」がしっかりと出ています。
「行列を避けてあの味を堪能したい」「さらに進化したまろやか味噌に出会いたい」という方は必見!知る人ぞ知る極上の3杯を、さっそくご紹介していきます!

麺家 まるたけ(石狩市)
信玄発祥の地である石狩エリアで、そのDNAをしっかりと受け継ぎながらも、さらに研ぎ澄まされた一杯を提供している名店が「麺家 まるたけ」です。

ズバリ、どんな味?
- 毎日飲み干せる「こっさり」まろやかスープ:動物系の出汁をベースに、「こってり」と「あっさり」を見事に融合させた油分控えめでマイルドな仕上がりが最大の特徴です。一般的な札幌味噌に多いラードが覆う濃厚系とは一線を画す、サラサラとした優しいコクが口いっぱいに広がります。
- 味変の「おろし生姜」で二度美味しい:別皿(またはレンゲ)で提供されるおろし生姜を後半にスープへ溶かすことで、味がグッと引き締まり、さっぱりとした爽やかな風味への変化を楽しめます。
- 満足度MAXの絶品トッピング:口の中でトロトロに解ける極厚豚バラチャーシューに加え、ベストな染み具合の「味玉」が標準で半分乗っているのも嬉しいポイント。高火力で香ばしく炒められたシャキシャキの野菜や、たっぷりのネギも良いアクセントになっています。
このまろやかな「こっさり」スープに合わせているのが、札幌ラーメンの王道である円山製麺の「黄色い中太ちぢれ麺」です。
熟成された麺特有の、シコシコ・モチモチとした強い弾力。見事なのは、このちぢれのウェーブが、油分の少ないサラサラとしたマイルドなスープや炒め野菜の甘みを、余すことなくたっぷりと絡め取ってくれることです。 パンチの強い濃厚スープに「負けない」ための麺ではなく、優しいスープの旨味を「最大限に持ち上げる」ための麺選び。この絶妙なバランス感覚には、本当に感心させられます!
こんな人にぴったり!
- コクがあるのにあっさりでいてまろやか。そんな味噌ラーメンが食べたい人。
- 生姜を溶かしながら、最後の一滴までスープをさっぱりと飲み干したい人。
- とろける極厚チャーシューや味の染みた味玉など、トッピングの満足度も重視する人。


麺屋 大地(札幌市北区)
札幌市内にお店を構える人気店「麺屋 大地」。こちらも有名店「らーめん信玄」のDNAを色濃く受け継ぎ、まろやかでコクと甘みのある白味噌ベースの味わいが特徴です。

ズバリ、どんな味?
- 旨味たっぷりのクリーミー白味噌:豚骨清湯(チンタン)ベースのまろやかでクリーミーな白味噌スープです。旨味とコクがしっかりありつつも油分が少なめで、最後まで飲み干せる優しい口当たりに仕上がっています。
- ひき肉が引き出す自然な甘み:スープにはひき肉がたっぷり入っており、スープ全体に自然な甘みと深みをプラスしています。
- こだわりの名脇役たち:旨味のあるチャーシューと、歯ごたえが良くしっかりと味付けされたメンマがトッピングされています。
このコクのあるまろやかな味噌スープに合わせているのが、修行元である「らーめん信玄」と同じ名門「小林製麺」の中太ちぢれ麺です。
札幌の数多くの有名ラーメン店を支える信頼の製麺会社ですが、信玄のスープを知り尽くした小林製麺だからこそ、そのDNAを継承する大地のスープとも相性は抜群です。 製麺の現場にいる視点から見ても、油分控えめで飲み干しやすいスープに対して、この麺のモチモチとした食感が合わさることで、一杯の満足度を見事に引き上げています。特有のちぢれが、クリーミーなスープやたっぷりのひき肉をしっかりと絡め取る相性の良さは、まさに計算し尽くされたバランスです。
こんな人にぴったり!
- 豚骨清湯ベースの、まろやかでクリーミーな白味噌ラーメンが好きな人。
- 油分控えめで飲み干しやすい、優しい口当たりのスープを求めている人。
- 信玄と同じ名門・小林製麺の王道「中太ちぢれ麺」との絡みをじっくり味わいたい人。


麺乃やました(札幌市白石区)
今回私の一番の推し、札幌市白石区にお店を構える「麺乃やました」。名店「らーめん信玄」で約15年もの長きにわたり修行を積んだ実力派店主が独立して立ち上げた、まさに信玄のDNAを正統に受け継ぐ大注目の名店です。

ズバリ、どんな味?
- 黄金色に輝くマイルドなスープ:豚骨や鶏ガラなどの動物系出汁をベースに、マイルドな白味噌とほんのり香るごまの風味をプラス。ラードで覆う純すみ系とは対極の、油分控えめで優しい甘みとコクが際立つ「黄金色のスープ」です。
- とろけるホロホロ豚バラチャーシュー:器に大きく横たわる丸型の豚バラロールチャーシューは、火入れに徹底的にこだわった逸品。箸で持ち上げるだけで崩れてしまうほど柔らかく、口の中でとろける仕上がりです。
- 店主こだわりの極太メンマとシャキシャキ野菜:コリコリ・シャキシャキとした抜群の歯応えがある分厚いメンマは、店主肝煎りのトッピング。香ばしく炒められたもやしや玉ねぎ、新鮮な白髪ネギがまろやかなスープに最高のアクセントを加えます。
このクリーミーな白味噌スープに合わせているのが、札幌の定番「小林製麺」の黄色い中太ちぢれ麺です。
製麺の現場からの視点で特に注目したいのが、この麺の「加水率(水分量)」です。札幌ラーメン特有の36%〜38%前後と推測される「高加水麺」に仕上がっており、ツルツルとした極上の喉越しと、プリプリ・モチモチとした強い弾力を生み出しています。 麺自体が水分をしっかり含んでいるため、優しいスープを吸いすぎて味が崩れることがありません。絶妙なちぢれ具合がクリーミーな旨味だけをスルスルと口元へ運んでくれる、まさに15年の修行の集大成とも言える完璧な相性です!
こんな人にぴったり!
- 動物系出汁の優しい旨味とほんのり香るごまの風味、マイルドでクリーミーな黄金スープを飲み干したい人。
- 「高加水麺」ならではのツルッとした喉越しと、プリプリの弾力を存分に楽しみたい人。
- とろける豚バラチャーシューや極太メンマなど、具材一つ一つのクオリティも重視する人。


行列を避けて極上の「まろやか味噌」を堪能しよう!
今回は、大行列必至の人気店「らーめん信玄」のDNAを正統に受け継ぐ名店として、「麺家 まるたけ(石狩)」「麺屋 大地(札幌)」「麺乃やました(札幌)」の3店舗をご紹介しました。
どの店舗も、単に師匠の味をなぞるだけではありません。油分を抑えたマイルドでクリーミーなスープの土台はそのままに、それぞれが厳選した中太ちぢれ麺(円山製麺・小林製麺)との一体感を極限まで高めています。
そして何より素晴らしいのが、麺の茹で加減に対するこだわりです。どのお店の標準(デフォルト)の茹で加減も、札幌ラーメンならではのコシと、のど越しの良さを両立したツルツル・シコシコとした食感に見事に仕上げられています。実はこれこそが、まろやかなスープとの馴染みが最も良いベストなバランスなんです。
長年、製麺の現場で麺と向き合ってきた職人の目線で見ても、どのお店も一切の妥協がない、まさに完璧と呼べる仕上がりです。下手すると、「本家『信玄』をも超えるクオリティがあるのでは…?」とすら思わせてくれる、凄まじいポテンシャルを秘めています。
「信玄のあの味が食べたいけど、長時間の行列はちょっと…」と諦めていた方は、ぜひ今回ご紹介した3店舗へ足を運んでみてください。並ばずとも、あなたの胃袋と心を満たしてくれる最高の一杯が待っていますよ!
それでは、次回の『食べの極意』でまたお会いしましょう!


コメント